[Admin] 2023/03/21

農場で働きはじめてはや4年 2024-08-19(Mon)

マウイに移住し農場で働き始めて4年が経った。上はハレアカラ山を背景にした最近の農場の全景写真。昨年8月8日、マウイで大きな山火事が起き、Lahaina地区の壊滅的な焼失、農場があるKula地区でも家が焼けるなど、歴史的大被害が出た。被害に遭われた人々の多くは、いまだ短期滞在施設での苦しい生活が強いられている一方で、仮設住宅の建設がようやく進みだし、住宅問題も少しつつ前進し始めている。その間、農場は大きな被害も出ず、また鹿侵入防止のフェンスのおかげで収穫量も増え、小松菜や白菜などの新たな作物の栽培も順調に進んでいる。さらに、肥料撒き機やグリーンハウスの導入など作業改革も進みつつある。

石の上にも3年というが、農場での厳しい力仕事を60歳を過ぎてから今まで元気に続けることができ、ほっとしている。70キロ近くあった体重は63キロ、体脂肪は15%に落ち、農場で数時間働くことで持久力も高まった。もらってくる豊富な野菜を食べることで、血液検査や血圧値も大きく改善。同僚たちとも、オカムラファームで働くことは、景色のいいスポーツジムに通っているみたいなもの?!と話している。

毎週土曜のファマーズマーケットで野菜の売り子をすることで、常連のお客さん達とも顔見知りになり、地域とのつながりが感じられるのもやりがいとなっている。マウイで生まれ育ったローカルの人々だけでなく、メインランドから移ってきた人達、ヒッピー系の人々、日系アメリカ人、日本人など、多くの人が来てくれる。以前なら全く話すこともなかった、イケイケのお兄ちゃんやお姉さん、バリバリ、ハワイアンの強固な若者、日系のお年寄りの方々とも、街であったらいつの間にか気軽に挨拶できるようになった自分がいる。

オカムラファームで働く仲間も大分増えた。最初は僕一人日本人で5人のローカルワーカがいたが、今ではオーナーのケンさん、プランターのVさん、ベテランローカルのEさん以外みな日本人ワーカで、農作業担当が5人、マーケット担当が2人いる。きっかけは、収穫が追いつかない、雑草刈り、Plantingが間に合わない、Spray、Seeding担当がやめてしまった、などの危機到来であった。そのたびに、友人知人に声をかけると、運よくファームに興味を持っている人に出会え、快く働き始めてくれたのである。とてもありがたいことである。各自週2日程度働いており、誰かが休暇をとってもお互いカバーできる余裕も出てきた。

この夏から週一回のSpray作業も僕の仕事になった。Sprayタンクを背負い、畑の中を歩き回って手作業でスプレーするのは結構な重労働だ。でも畑全体の各作物の成長や、害虫被害を細かく毎週観察することで、いい勉強にもなるし、収穫作業によりありがたみを感じるようになった。有機栽培なので、化学物質を含まないスプレーで、天然の植物抽出物(ニームオイルなど)や天然鉱物、あるいは土壌から取ったバクテリアを使った虫除けであり、野菜に出た症状に応じてのトライアンドエラーの連続だが、とても面白い作業である。

週3日農場とマーケットで働き、4日海にいき、夕焼けを見ながら夕食を作り、星を眺めて9時には就寝という健康的な生活が続いている。ただ今年、白内障が悪化し、春に両目の水晶体を人工レンズに入れ替える手術をした。固定焦点の為、スマホや書類を見るのは老眼鏡が必要となったが、裸眼で運転もできるし海でも波がよく見えるようになって嬉しい。

時間と心の余裕ができたので、懸案の写真活動も再開。近くのアートセンターに週1回通ってモノクロ暗室プリントをするようになった。友人、家族を少しつつフィルムカメラで撮り溜めて、暗室でじっくりプリントをしている。近々マウイローカルの人々の写真も撮りはじめたいと思っている。(続く)


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